「思う」と「想う」の違いとは?意味や使い方を解説!

「思う」と「想う」の違いについて解説していきます。同じような言葉ですが、それぞれ意味や使い方に違いが存在します。今回は「思う」と「想う」の違いや使い方についてご紹介します。

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「思う」と「想う」

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日本語は表現が豊かで同じ読みに対し、それぞれ漢字で意味合いが異なります。

今回は、人間の感情のひとつでもある「思う」と「想う」について、それぞれの意味や違い、使うのに適した場面などを解説していきたいと思います。

一般的によく使われるのは「思う」の方だと思いますが、「想う」はどんな時に使うのでしょうか?

まずは、それぞれの意味をまとめていきます。

「思う」の意味

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一般的に人が考え、何かをおもう時に多用されるのが「思う」です。
英語では「Think」という言葉を翻訳する時に使われます。

しかし、「おもう」という読み方をする漢字だけでも、漢字検定に出るものでも8個、旧字体など含めると11個は存在します。

例えば、「念う」は念を込めて思っていることが想像出来ますし、「憶う」は何か記憶に刻まれたものを思っていることが想像できると思います。

絵や映像のない小説などでは、よりその時の情景を思い浮かべやすいので、文字だけでその時の感情なども伝えたい場合には効果的と言えます。

その為、「思う」は何か特別な感情や熱量に固執せず、多用しやすい漢字ということがわかります。

特に漢字の意味を理解するのに面白い方法としては、漢字の成り立ちから紐解く方法です。

学校でも早い段階で習う「田」と「心」を組み合わせた漢字ですが、元々「田」は頭蓋骨を表す象形文字で、子供の脳を表しているそうです。

したがって、「思う」とは、頭(脳)で感じた心を意味します。

「思う」は物ではないので、視覚で見えない感覚的な表現ですが、言葉として発することで、意思として伝えられる素晴らしい言葉だと思います。

「想う」の意味

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「想う」は、主に「想い出」や「片想い」などに使用される事が多いですが、「想像」や「妄想」で使われるように英語でいう「Image」が最もしっくりくる印象かと思います。

先程の「思う」の漢字を使った「思い出」と「想い出」を比べると不思議と感情の違いを感じてしまわないでしょうか?

漢字のつくりにもある様に「相」と「心」が合わさって出来ている漢字なので、相手や対象に対してはじめて生まれる感情なのだと言うことがわかります。

よって「想」を使うことで、よりその時その場面の情景を想像出来たり、「思」を使うよりも感情表現の幅を広げる事が出来ます。

曲や詩で「夏の思い出」という作品がいくつかありますが、この違いでわかることは、この作品達は相手を思っている想い出ではなく、自分の頭で思っている思い出なのかな?と意味を知る事で、また違った解釈を楽しむことも出来ます。

余談ですが、京都の日本酒で「夏の想い出」というお酒がありますが、意味の違いを知った後で聞くと、呑む人を想って造ったのかな?と改めて感じる事が出来ました。

皆様も身近な「思い」と「想い」の違いを意識して生活してみると新たな発見があるかもしれませんね!

「思う」と「想う」の違い

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それでは、ここまでの内容をまとめます。
同じ「おもう」という言葉でも「思う」と「想う」では同音異義語になり、意味や使い方が異なることがわかっていただけたかと思います。

「思う」=頭(脳)で考えているもの
特徴としては、一般的に多用されている文字で、公的文書でも使われる常用漢字です。

「想う」=何かを対象に心でイメージしているもの
思いに対して、常用外漢字

文字1つ変えることで、文や作品に感情の幅を加える事が出来ます。

「思う」と「想う」を使った例文

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それでは最後に「思い」と「想い」を使った例文をご紹介します。

例文

  • 思い切った行動に出る。
  • 想い出はいつまでも色褪せない。

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