「帰る」と「返る」と「還る」の違いとは?意味や使い方を解説!

「帰る」と「返る」と「還る」の違いについて解説していきます。同じような言葉ですが、それぞれ意味や使い方に違いが存在します。今回は「帰る」と「返る」と「還る」の違いや使い方についてご紹介します。

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「帰る」と「返る」と「還る」

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「戻る」というような意味合いで「かえる」という言葉を使うとき、どの漢字を使えばよいのか、迷いませんか?

「返る」?「帰る」?

「帰る」に意味が近そうな「還る」という漢字もあります。

返る」「帰る」「還る」の、3つの違いを確認しましょう。
 

「帰る」の意味

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「帰る」は、場所を起点とした考え方です。

もといた位置に戻る、という意味を表すとき「帰る」の漢字を使います。

「家へかえる」は「家へ帰る」が正解です。一番「帰る」のイメージが浮かびやすい例といえます。

迷うような例としては、「原点にかえる」という言葉があります。

「原点」という場所があるわけではありません。しかし、「スタートした位置に戻る」という意味では、場所を意味するようでもあります。

これについては、辞書でも見解が分かれています。つまりは「帰る」を使うのも間違いではない、ということです。

「原点にかえる」とひらがな表記されることも多いです。迷ったらひらがな表記にしても良いでしょう。

「原点回帰」という言葉は、当然ですが、そのまま使います。

「返る」の意味

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「返る」は、分かりやすい意味では、向きが逆になることを表すときに使います。

「ひっくり返る」「こだまが返る」などです。

「帰る」と間違えやすいのは、以下の二つの場合です。

①もとの状態に戻る
「正気に返る」「童心に返る」
この場合は、もといた「場所」に戻るのではなく、もとの「状態」に戻るというのがポイントです。

②物が持ち主のところへ戻る
「貸した本が持ち主のところへ返る」
この場合は、主語が人ではなく「物」であることがポイントです。

「還る」の意味

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「還る」は、もといた場所に戻る、という意味があります。つまり「帰る」と同じ場面で使うということです。

「帰る」と比べると「還る」には、いろいろな経過を経て戻ってきたというような、ちょっとドラマチックなニュアンスが加わります。

「祖国に帰る」と「祖国に還る」では、「還る」の方は何かニュアンスをまとっていることを感じられるでしょうか。

また、「土に還る」「自然に還る」のように、慣用句のように使われることもあります。

「土に還る」は、「死ぬ」「朽ち果てる」という言葉を、間接的に表した表現です。

「自然に還る」は、「人間の作った文明社会から離れる」というニュアンスを持ちます。

「還る」は常用漢字表外の読み方のため、使い方は限定的といえます。

「帰る」と「返る」と「還る」の違い

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「帰る」は、もともといた場所に戻る、という意味を表したいときに使います。
「返る」は、もとの状態に戻る、物が持ち主のところへ戻る、という意味のときに使います。
「帰る」と「返る」の違いは、

  • もとの場所に戻るのか?もとの状態に戻るのか?
  • 主語は人か?物か?
で判断しましょう。
「帰る」と「還る」はどちらも、もといた場所へ戻る、という意味を表すときに使います。
いろいろな経過を経て戻ってきたというような、ドラマチックなニュアンスを加えたいときには「還る」を使うと良いでしょう。
 

「帰る」と「返る」と「還る」を使った例文

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例文

  • 例文「家へ帰る」「故郷へ帰る」
  • 例文「我に返る」「貸した物が返る」
  • 例文「三塁ランナーがホームに還る」「土に還る」

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