MTUとは?
MTUとは、通信機器などが一度に送信できる最大のデータ量のことである。または、その設定値を指す場合もある。送りたいデータの量がMTUを超える場合はMTUごとに分割して複数回に分けて送信するようになる。
MTUのあれこれ!
一般にMTUが大きいほど効率的にデータを送ることができ、実質的な転送速度を向上させることができる。しかし、雑音が多いなど通信品質が低い環境では逆にMTUが小さいほうがエラーによる再送などが減って転送効率が高まることもある。
通信相手までの経路上に複数の回線や中継機器などが存在しており、それらのMTUが違っている場合、経路全体をデータを分割せずに送信することができる最大のデータ量を経路MTUという。データを送信する前に経路MTUを調べることを経路MTU探索(PMTUD:Path MTU Discovery)という。
これに対し、受信側が一度に受信できる最大のデータ量はMRU(Maximum Receive Unit)という。MTUは相手のMRUを超えることはできない。
○MSS(Maximum Segment Size)
MSSとは、インターネットで標準的に使われるプロトコル(通信規約)であるTCPで通信する際に指定する、一度にデータを受信できる単位(セグメント)の最大長のことである。
IPネットワーク上でよく使われているトランスポート層のプロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)では、伝送するデータをセグメントと呼ばれる大きさごとに区切って順番に送信する。通信を行うときは受信側が最初にMSSオプションで自らが受信できるセグメントの最大値を送信側に通知し、送信側はこれより小さなサイズのセグメントに分割してデータを送信する。
○IPデータグラム(IP datagram)
IPデータグラムとは、IP(Internet Protocol)で送受信されるデータの単位のことである。送りたいデータ本体に、宛先などの制御情報を付加した一定の長さのデータのまとまりを指す。
先頭部分は送信元アドレスや宛先アドレスなどの制御情報を格納したヘッダ部(IPヘッダ)となっており、続くペイロード部に送りたいデータ本体が格納されている。