PCM(Pulse Code Modulation)とは?
PCMとは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つである。信号の強度を一定周期で標本化(サンプリング)したもの。そのまま保存すれば無圧縮データとなる。別名はパルス符号変調という。
PCMのあれこれ!
PCMは、アナログ信号の強度をサンプリング周波数に従って一定間隔で測定し、定められたビット数の範囲で整数値として量子化する。例えば、CDの音声はサンプリング周波数44.1kHz(キロヘルツ)、量子化16ビットで記録されており、これは毎秒44,100回信号を測定し、その強度を65,536(216)段階の値で表していることを意味する。
サンプリング周波数と量子化ビット数を高めるほど高品質のデータを得ることができるが、その分データ量は増大するようになる。標本化定理により、サンプリング周波数の半分の周波数までの信号は再現可能とされており、これをナイキスト周波数という。音声の場合は人間の可聴音の上限が20kHz程度であることが知られており、40kHzを超えるサンプリング周波数を用いれば録音データから概ね自然な音が再生できるようになると言われる。
通常のPCM方式はリニアPCM(LPCM:Linear PCM)とも呼ばれ、毎回の標本化で得られたデータを並べた形式だが、一つ前のデータとの差分を記録していく方式をDPCM(Differential PCM:差分PCM)という。さらに、DPCMの各標本の量子化ビット数を直前の標本の変動幅に応じて適応的に変化させる方式をADPCM(Adaptive Defferential PCM:適応的差分PCM)という。PCMとほぼ同じ品質を保ちながら符号化後のデータ量を削減できるため、実用上はこちらが用いられることも多くある。
〇リニアPCM(Linear PCM)
リニアPCMとは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つで、信号の強度を一定周期で標本化(サンプリング)して得られたデータをそのまま記録するものである。PCM方式のうち最も単純で基本的な手法である。