分類

    スループット | IT用語辞典

    スループット 【 throughput 】

    スループットとは?
    スループットとは、機器や通信路などの性能を表す特性の一つであり、単位時間あたりに処理できる量のことを意味している。ITの分野においては、コンピュータシステムが単位時間に実行できる処理の件数のことや、通信回線の単位時間あたりの実効伝送量などを意味することが多くある。

    スループットのあれこれ!

    〇処理の場合は?
    コンピュータの性能について言う場合は、単位時間あたりに与えられた処理を完遂できる回数を表している。CPUやメモリ、ストレージなど装置の構成や性能、処理内容などが複雑に影響しあって決まるので、単一で単純な指標はないとされる。分野や用途に応じて業界団体などが用意した試験用のソフトウェア(ベンチマークプログラム)を実行し、処理件数を計測して相対的な値として表す場合が多い。

    〇通信の場合は?
    通信回線や装置のデータ入出力の性能について言う場合には、伝送路を通じて単位時間あたりに送受信できるデータ量を表している。単位として、1秒あたりに伝送できるビット数である「ビット毎秒」(bps:bits per second)や1秒あたりのバイト数「バイト毎秒」(Bytes/s)、および、これらに大きさを表す接頭辞を付けたもの(Mbps、MBytes/sなど)を用いるようになる。

    通信システムやプロトコルなどについて用いる場合には、伝送路自体が全体として運べる理論的なデータ量から、制御データや誤り訂正符号などのオーバーヘッド分を差し引いた、実質的に相手方に伝達されるデータ(ペイロード)の量を表す場合もある。

    「スループット」の関連用語

    〇実効スループット(有効スループット)

    通信速度や処理能力の尺度の一つであり、実際に通信や計算を行ったときの単位時間あたりの処理能力やデータ転送量のことを実効スループット(effective throughput)あるいは有効スループットと呼ぶ。

    システムの処理能力の意味では、実際のデータを処理したときの単位時間あたりの処理能力を表している。理論上の最大処理能力(理論スループット)が同じでも、処理させるデータの選び方などの条件によって実効スループットは変化をする。標準化されたベンチマークテストなどによって計測されるのであふ。

    通信速度の意味では、理論上実現可能な単位時間あたりのデータ転送量(理論スループット)から、エラー訂正による損失や、プロトコルのオーバーヘッド、データ圧縮による影響などを差し引いた、実効速度を表している。このため、実効スループットは通信環境や転送するデータの選び方などの影響を受けることになる。特定の環境のもとで実際に大きなファイルを送受信してみて、かかった時間を測って計測される。

    「スループット」の例文

    1. 通信のスループットは、ビットレート(bps)で表されます。
    2. 圧縮していない NTSC ビデオ信号はおよそ 90 Mbps のスループットを要求する。