P2Pとは、ネットワーク上の複数の機器間で接続・通信する方式の一つで、対等の者(Peer、ピア)同士が直に接続し、互いの持つデータや機能を利用しあう通信方式を意味する言葉である。
また、そのような方式を用いるシステムやソフトウェアなどを指す。
Peer to Peer(ピア・トゥ・ピア または ピア・ツー・ピア)とも呼ばれるが、P2Pと略記されることが多い。
P2Pと対置される通信方式としてクライアントサーバ方式がある。
クライアントサーバ方式では、ネットワーク接続されたコンピューターに対しクライアント(利用者)とサーバ(提供者)で役割が分割されている。
一般的には多数のクライアントに対してサーバーが一つであり、クライアント同士の通信はサーバーを介する必要がある。
一方、P2P方式の場合は、クライアントやサーバといった役割の違いがなく、ネットワークに接続されたソフトウェア同士が対等の関係で接続し、互いにデータや機能を提供し合う。
クライアントサーバー方式と比べて、特定機器へのアクセス集中が発生しにくいという特徴がある。
そのため、IP電話や動画配信サービスなどに幅広く使われている。
設定や管理が簡単であるP2Pだが、一方で、ファイル共有ソフトによる違法アップロードやダウンロードなど悪用されるケースも増えている。
2000年代の初頭から「Winny(ウィニー)」に代表されるMP3形式の音楽データや動画データなどをインターネット上で交換するP2P型のファイル交換ソフトウェアが注目を集めた。
これらのソフトウェアは、個人の端末同士で直接データを交換することにより、著作権問題や個人情報の漏洩などが引き起こされることが危惧された。
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