IT用語としてよく使われる「エビデンス(evidence)」は、もともとは別の意味で使われる言葉であり、また、ITとは別の業界でも使われる。
それぞれの意味について解説する。
「エビデンス(evidence)」はもともとは英語で証拠という意味の言葉である。ここでいう証拠とは裁判などで使われる証拠のことを指す。これが日本で広い意味で使われるようになり、医学用語やIT用語でも使われるようになった。
医学における「エビデンス」とは、ある治療法が病気や怪我に対して、どのような効果があるのか、どれくらい効果があるのかを示す証拠や臨床結果のことを指す。
例えば、この治療法ではこのくらいの確率で治る、というように「エビデンス」を示すことで、治療法を選択するための手段となり得る。
そのため、医学分野において「エビデンス」があるということは、科学的根拠があると言い換えることができるのだ。
ITにおける「エビデンス」は、ソフトウェアなどの動作が、ある条件や入力によって特定の状態に至ったことを示す証拠資料のことを意味する。
つまり、あるシステムの動作テストにおいて、正しく動作していること、あるいは不具合が発生していることを示す証拠のことを「エビデンス」という。
例えば、開発されたソフトウェアの不具合を確認するテストの過程やその結果等を示す資料が「エビデンス」となる。
ではどういったものがエビデンスとなるのか?
具体的な例を紹介する。
コンピュータの画面に現在表示されている表示状態を画像化したもの。「スクリーンショット」ともいい、スマホの普及によりこちらの言葉の方が有名。
ある機器の稼動中に起こった出来事を日時とともに時系列に記録したもの。船の航海記録が語源。
次に「エビデンス」の関連用語を紹介する。
プログラムの不具合をチェックするテストのうち、プログラムを構成する比較的小さな単位(ユニット)が個々の機能を正しく果たしているかどうかをチェックするテスト。
フリー(無料)でかつオープンソース(自由にソースコードを書き換えられる)自動化サーバー。ソフトウェア開発におけるテストを自動で行ってくれるため、開発時間を短縮できかつ労力を少なくすることができる。
最後に「エビデンス」を使った例文をいくつか紹介する。
例文