量子化とは?
量子化とは、アナログ信号などの連続量を整数などの離散値で近似的に表現することを意味する。自然界の信号などをコンピュータで処理・保存できるようデジタルデータに置き換える際などによく行われる。
量子化のあれこれ!
音や光、電気、電波など物理現象に伴う信号は本来連続量である。そのため、そのままではコンピュータなどの電子回路で取り扱うことが不可能となる。そこで、一定の決まった間隔で信号の強度を測定(標本化/サンプリング)し、決まった細かさの段階に当てはめて表していく必要がある。
例えば、4段階の値で量子化を行う系では、信号強度の測定値(標本)は0、1/3、2/3、1の中から最も近い値が選ばれる。0.1に近い標本は0、0.4に近い標本は1/3といった具合である。この段階の数が多いほど元の信号をより高い精度で忠実に表現することができるが、量子化後のデータ量はその分だけ増大する。
この細かさをビット数で表したものを「量子化ビット数」と呼び、これが1ビットであれば2段階(21)、8ビットならば256段階(28)、16ビットならば65,536段階(216)の細かさで強度を表現できる。
○量子化誤差(quantization error)
量子化誤差とは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に生じる誤差の一種で、元の信号レベルとデジタル化した後の数値の間に生じる誤差のことである。
量子化誤差によって生じた歪みは、ある種のノイズであるとも捉えられるため、「量子化雑音」(量子化ノイズ)と呼ぶこともある。ノイズとして見た場合にはランダムノイズに近い性質を持っていることが知られている。
○量子コンピュータ(quantum computer)
量子コンピュータとは、量子力学の原理を計算に応用したコンピュータのことである。極微細な素粒子の世界で見られる状態の重ね合わせを利用して、従来の電子回路などでは不可能な超並列的な処理を行うことが可能である。
量子コンピュータは従来型コンピュータのように振る舞うことも可能なため、従来型で解ける問題ならば量子コンピュータでも解けることは分かっている。しかし、古典的なアルゴリズム(計算手順)では量子的な効果を活かすことはできない。