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    デスマーチ | IT用語辞典

    デスマーチ 【 death march 】

    デスマーチとは?
    デスマーチとは、「死の行進」という意味の英語表現である。それをIT業界では、過酷な労働環境や極端な過重労働を課されるシステム開発プロジェクトの現場を表す俗語として使われている。

    デスマーチのあれこれ!

    納期間近なのに完成の見通しが立っていなかったり、必要な資源が投入されず適切な管理や統制が行われていないプロジェクトで現場が疲弊・混乱する現象で、開発チームのメンバーが劣悪な環境での作業を強いられたり、連日の徹夜や休日出勤など過重な労働が課される。そのような場合をデスマーチという。

    抜本的な立て直しを行わず進行し続ければ、人心の荒廃や心身の疲弊から能率が下がってしまう。そうすると、進捗が遅れることで負荷が増大してしまう。さらに現場の疲弊が進むという悪循環にはまり込んでしまう。最終的にはプロジェクトの失敗、破綻となり、メンバーに傷病者や死者が出る最悪の事態を招く場合もある。

    “death march” という表現はもともと、戦争などで敵軍の捕虜や占領地の住民を強制的に徒歩で長距離移動させる苦役を指していた。特に、十分な休息や水、食料を与えずあえて疲弊させ、途上で死者や負傷者が出ても放置する虐待・虐殺行為のことを意味する。

    計画の破綻が明らかなのに上位者の体面や当初の甘い見通しに固執し、末端に過重な負担を押し付けることで乗り切ろうとする管理者の無責任な姿勢をこのような戦争犯罪になぞらえた表現である。

    「デスマーチ」の関連用語

    ○マイルストーン(milestone)
    マイルストーンとは、里程標、一里塚、道標、などの意味を持つ英単語のことである。それが転じて、歴史や工程などについて、画期的な出来事、重要な段階、節目、到達点、金字塔といった意味でも用いられるようになった。原義のマイル標は、幹線道路の道路脇に1マイルごとに設置される、起点からの距離を記した標識のことを意味している。

    ○プロジェクトマネージャー(PM)
    プロジェクトマネージャーとは、、プロジェクトの計画・遂行に責任を負う管理者のことを意味している。また、そのような職位や職能を指す場合もある。
    別名は、Project Manager または プロマネ ともいう。

    「デスマーチ」の例文

    1. デスマーチ状態が恒常化すると、組織の体力はみるみる削られていくのでどこかで誰かが変化をもたらす必要がある。
    2. 社長として従業員たちをデスマーチ状態にさせてしまっている責任は強く感じるが、今は勝負時だから我慢をして欲しい。